読みもの

大学HPにある広報関連ページ「奈良教育大学Knowledge(通称:なっきょんナレッジ)」に研究紹介のコラムを書きました。

[研究コラム]文学のことばをいかに読むか
著書


研究室を訪ねてきた“なっきょん”のインタビューに答えるという形式で書いています。
このインタビュー内容を考えてくださったのは担当事務の方で、僕の本や論文をていねいに読んで対応してくださいました。ここに記して感謝申し上げます。ありがとうございました。

NakkyonKnowledge




津村は何日に大阪を立つて、奈良は若草山の麓の武蔵野と云ふのに宿を取つてゐる、──と、さう云ふ約束だつたから、此方は東京を夜汽車で立ち、途中京都に一泊して二日目の朝奈良に着いた。武蔵野と云ふ旅館は今でもあるが、二十年前とは持主が変つてゐるさうで、あの時分のは建物が古くさく、雅致があつたやうに思ふ。鉄道省のホテルが出来たのはそれから少し後のことで、当時はそこと、菊水とが一流の家であつた。(谷崎潤一郎「吉野葛」1931)

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