出版関連

JAPANESE LITERARY THEORIES数年前に参加した、大浦康介編『日本の文学理論 アンソロジー』(水声社、2017.06、※詳細はこちら)の英訳書『JAPANESE LITERARY THEORIES AN ANTHOROGY』がホルカ・イリナさんほかの訳で、Lexington Booksから刊行されました。
2011〜2015年に京都大学人文科学研究所で取り組んだプロジェクトおよびその後の科研プロジェクト(2015〜2017)の成果。近代日本における文学理論的言説を集め、テーマごとに解説を付したもの。僕はフィクション論の章を共同執筆しています。
ホルカさんを中心とした翻訳チームによる長期間のご尽力がかたちになって、感謝とよろこびでいっぱいです。 

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Edites and Translated by Irina HOLCA, Lexington Books, Pages: 244 
978-1-66696-313-7 • Hardback • $115.00 • (£88.00)
978-1-66696-314-4 • eBook • $50.00 • (£38.00)  

ネットアドバンスの辞事典サイト「ジャパンナレッジ」より『日本近代文学大事典』増補改訂デジタル版(第2期)が更新公開されました。
こちらに新規追加された人名項目「角川春樹」の執筆を担当しました。
ジャパンナレッジと契約している大学図書館や公共図書館などからご覧いただけます。


2022年8月に刊行した『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』(高橋幸平・久保昭博・日高佳紀編、ひつじ書房)の合評会を開催するはこびとなりました(チラシ画像はクリックで拡大します)。

『小説のフィクショナリティ』合評会チラシ
>>PDF版のチラシはこちら

『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』合評会

●日時:2023年2月19日(日)13:30から
●会場:同志社女子大学(今出川キャンパス)ジェームズ館 J207

●開催方法:対面+Zoomによるオンラインのハイブリッド方式

●コメンテーター:
・加藤夢三(お茶の水女子大学)
・小柏裕俊(京都芸術大学)
・日比嘉高(名古屋大学)

◎参加方法
関心のある方はどなたでもご参加いただけます。
参加ご希望の方は、★2023年2月15日までに以下のフォームより事前申し込みをお願いします。

◆主催:科研費補助金基盤研究B「近代におけるフィクションの社会的機能についての領域横断的研究」(研究代表者:久保昭博)

(お問い合わせ先)
『小説のフィクショナリティ』合評会幹事
fn.review.2023★gmail.com ★を@に


『週刊読書人』第3459号(2022年10月7日)の巻頭特集(1・2面)に、先日刊行した『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』共編者の高橋幸平さん、久保昭博さんとの鼎談「フィクション論と文学」が掲載されました。
>> 出版社の案内はこちら
本書刊行に至る経緯と企図、フィクション論の現在、文学研究における理論の位置と価値、フィクション論の可能性、日本文学におけるフィクション、今後の展望・・などなどについて語り合っています。ぜひご覧ください。

『週刊読書人』20221007
>>読書人WEBはこちら 


『小説のフィクショナリティ』
高橋幸平さん、久保昭博さんとの共編で、『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』をひつじ書房から刊行しました。
2014〜2020年まで活動した「フィクションと日本文学の研究会」(JF研)の成果の一端をまとめた論集。本書を中仕切りに新たな展開を進めていきたいと思っています。
(※左画像をクリックすると大きいサイズの書影をご覧いただけます。)

フィクション≠文学
人はなぜ虚構の物語にリアリティを感じるのか。
フィクションとファクトの境界はどこに引かれるのか。
フィクション理論の現在を整理し、文学研究に導入する──。
主要文献の「読書案内」を含む、これからの研究に欠かせない一冊。

分析美学の影響下に、ポスト構造主義以降の文学・芸術理論を形成しつつあるフィクション論。欧米の主要な理論的アプローチを概観しながら日本独自の「フィクショナリティ」を照射し、近現代小説の新たな読みを提案する。
(※本書オビ文より)

>>出版社のサイトへ  

■目次■
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坂口安吾大事典勉誠出版から『坂口安吾大事典』が刊行されました。

「偉大なる落伍者」安吾の、あらたな作家像。
「堕落論」、「桜の森の満開の下」、「不連続殺人事件」……モダニズム小説、歴史小説、風俗小説、推理小説のほか、評論・文化論・笑劇・エッセイなど、多岐にわたって足跡を残した坂口安吾。
最新の研究成果を踏まえ、全作品を解説するとともに、その人間像・作品を読み解くうえで重要なキーワードや、交流のあった人物を網羅的に解説。
坂口安吾のすべてに迫る初の大事典!(本書オビ文より) 
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第一部・キーワード編、第二部・作品編、第三部・事項編 の3部構成で、巻末には詳細な年譜が付されています。「お奈良さま」「影のない犯人」「神サマを生んだ人々」「松江市邦楽界に寄す」「山の神殺人」といった作品項目と、「谷崎潤一郎」の項目を担当しました。

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安藤宏・大原祐治・十重田裕一 編集代表、勉誠出版、828頁、14,000円+税 


『日本文学の見取り図』
ミネルヴァ書房のシリーズ「世界の文学をひらく」の1冊として『日本文学の見取り図 宮崎駿から古事記まで』が刊行されました。
本書の「序─日本文学をひらくために」で編者による座談会、日本文学を学ぶための重要テーマを扱った第1部「日本文学の今を知る─テーマ・話題」、現代から古代の順に日本文学の作家・作品を取り上げて解説した第2部「日本文学史を彩る(作った)名作・作家たち」で構成されています。
このうち第1部の「資本主義」および第2部の「谷崎潤一郎」について、執筆を担当しました。
以下、出版社のサイトに掲載されている内容説明です。

日本文学を学ぶ上で重要なテーマや課題「メディア」「資本主義」「ジェンダー」「神話と正史」などを取り上げ、また厳選した75の作家・作品を現代から古代の順に配列し、最新の知見に基づきわかりやすく解説する。
本書を通読すると、断片的に見える日本文学に関する情報が有機的に結びつき、全体像が把握できる。学部生、大学院生、文学愛好家を対象に、いまを軸に日本文学を捉え、世界へひらくための地図・見取り図を提供する新しい一冊。
[ここがポイント]
◎ 初学者から日本文学に関心のある一般読者を対象
◎ 第一線で活躍する専門家による執筆
◎ レポート課題や卒論に役立つ
◎ 事典的な使い方もできる、一項目読み切り型
◎ 図版を豊富に掲載し、ビジュアルでも楽しめる

>>目次等の詳細(出版社のサイト)はこちら

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千葉一幹・西川貴子・松田浩・中丸貴史 編著、ミネルヴァ書房、251頁、2,800円+税


『現代中国と日本文学の翻訳』
日高研卒業生の孫軍悦さん(立命館大学国際関係学部准教授)が、初めての単著『現代中国と日本文学の翻訳 テクストと社会の相互形成史』を青弓社から刊行しました。
東京大学に提出した博士論文がもとになっていますが、奈良教育大学大学院に在学していたころから取り組んできた翻訳研究を発展させた内容です。
以下、出版社サイトより──。

戦後の日本と中国は、対立と友好の狭間で揺れ動きながら関係を形作ってきた。そのようななか、日本の文学は中国でどう翻訳されて、中国の人々にどう受容され、いかなる影響を与えてきたのだろうか。

1960年代から70年代までの井上靖『天平の甍』の翻訳と舞台化、70年代末から80年代末までの日本推理小説や映画のブーム、80年代末から2000年代にかけての村上春樹『ノルウェイの森』の翻訳と受容という3つのテーマに焦点を当てる。そして、国交正常化、文化大革命、社会主義の諸政策など、各時代の社会的な背景とともに人々の翻訳の受容の実態を浮き彫りにする。

日本文学の翻訳・舞台化・映画化を中国の政治・経済・法律などの諸制度とも絡めて考察して、原作-翻訳-受容のダイナミックな相互作用が中国社会に与えたインパクト、そして文学と社会の共振の諸相を描き出す。

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孫軍悦著、青弓社、372頁、3,600円+税