2019/11

近代文学関連3学会合同の国際研究集会2日目(11/24)に、パネル「フィクション論で問い直す近代日本文学」(10:00〜12:00@共立女子大学 発表要旨)でパネリストの一人として登壇しました。
発表タイトルと内容は以下の通りです。

《パネル》フィクション論で問い直す近代日本文学(高橋幸平・日高佳紀・久保昭博・服部徹也)
◇日高佳紀
「谷崎潤一郎・文学形式とフィクション─拵へ物・空想・組み立て─」
(内容)
谷崎潤一郎は、文学の価値について言及する際、しばしば〈うそ〉かどうかということに関連づけて自らの主張を展開した。〈拵へ物〉との批判に対して谷崎がこだわった小説の〈本当らしさ〉には内容と形式の両面があり、そこには、作者にとっての真実性がいかにして読者の実感に結ばれるかという問題が横たわっていた。議論を進めるために用いられた〈空想〉と〈組み立て〉について、フィクション論の枠組みから検討し、明治末から昭和初期に至る谷崎の文学(小説)観を明らかにすることを目指す。


初めての試みとなる近代文学関連3学会合同の国際研究集会が、2019年11月23・24日の2日間にわたって、明治大学(23日) 、共立女子大学・二松學舍大学(24日)で開催されます。大会テーマは「文学のサバイバルーネオリベラリズム以後の文学研究」。
>>詳細はこちら(合同国際研究集会公式サイト)

このうち、2日目分科会のパネル発表に登壇します。

◇高橋幸平・日高佳紀・久保昭博・服部徹也
《パネル》フィクション論で問い直す近代日本文学

日時:2019年11月24日(日)10:00〜12:00
会場:共立女子大学3号館3階305(会場〈8〉)
(発表趣旨)続きを読む

『日本近代文学』第101集に、河野龍也さんが拙編著『建築の近代文学誌 外地と内地の西洋表象』の紹介を書いてくださいました。

『日本文学』2019年11月号の特集「日本(語)文学の越境と翻訳」に、以下の論文を発表しました。

◇日高佳紀
「短篇小説の在処─村上春樹 The Elephant Vanishes(『象の消滅』)の構成と翻訳─」


(要旨)
The Elephant Vanshes1993年にアメリカのクノップフ社から刊行された村上春樹の短篇小説集The Elephant Vanishesの構成は、西洋諸国で村上春樹の短編集が刊行される際に踏襲され、2005年には新潮社から同じ構成による日本語版が刊行される。異なった言語・書物に再配置された短篇小説はいかなる意味をもつのか。アメリカで編集された際の作品選択と構成を検討するとともに、逆輸入された日本語版をもとにいくつかの作品の翻訳・改稿過程を追うことで、アメリカ─〈世界〉で読まれた村上文学の特質を明らかにした。