2016/08

『文学・語学』第216号の特集「教材」としての近現代文学に以下の論文を発表しました。

方法としての〈記憶〉
─村上春樹「午後の最後の芝生」のポストモダニティ─


小説創作に関する自己言及的な内容を含む「午後の最後の芝生」(1982)について、文学の自律的価値を捉えるための「教材」とする実践モデルを提示。具体的には、初出/単行本と『村上春樹全作品』所収の際の本文テキストの異同を検討し、作品の完成度を高める際にどのようなことが企図されていたのか検討した。


『谷崎潤一郎 中国体験と物語の力』“アジア”を思考の対象に刺激的な企画を打ち出している勉誠出版「アジア遊学」シリーズの200冊目として、『谷崎潤一郎 中国体験と物語の力』が刊行されました。

谷崎潤一郎生誕130年!
中国を旅した谷崎潤一郎は、そこで何を見たのか、どんな影響を受けたのか、そしてそれをどのような物語として表現したのか。体験と表象の両面から、中国、上海と創作の関わりを考察。日本、中国、欧米の研究者による論考を掲載し、世界の読者が読む谷崎の世界も提示する。(出版社のサイトより)
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本書のベースになったのは、谷崎没後50年を記念して昨年11月に上海で開催した国際シンポジウム(→こちら)です。
今回の出版企画においては、「編集協力」として本書編纂に関わったほか、巻頭の座談会「物語の力─上海の谷崎潤一郎」に参加、また、シンポジウムでの研究報告にもとづいた以下の論文を掲載しています。
「嘆きの門」から「痴人の愛」へ
―谷崎潤一郎・中国旅行前後の都市表象の変容─

さらには、「あとがき」の執筆を担当しています。

>>詳細はこちら

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千葉俊二・銭暁波編、勉誠出版、200頁、2,000円+税