2015/10
初めての単著となる『谷崎潤一郎のディスクール 近代読者への接近』を双文社出版から刊行しました。
大衆の登場と、谷崎の読者戦略
文学が“商品化”した大正から昭和初期、谷崎潤一郎は新たに出現した大衆読者に、戸惑いながら接近していった──。
メディアの向こうの見えない読者との葛藤とその力学を、谷崎テクストという現象に見いだし、物語言説(ディスクール)の運動の中に、批評性と文体変革の軌跡を追う。
メディア、消費文化、歴史叙述、翻訳行為、……。
谷崎が構想した“読むこと”の多様性をテクストから炙り出し、時代と交差した新たな谷崎文学の像を結ぶ。
(※本書オビ文より)
■目次■
序章 谷崎文学をディスクールとして読むために
─第Ⅰ部 メディアを横断するエクリチュール
第1章 通俗からの回路──「お艶殺し」の図像学
第2章 メディア戦略とその不可能性──「武州公秘話」と読者
第3章 テクストの臨界──「細雪」の読まれ方
─第Ⅱ部 コンテクストとしての消費文化
第4章 資本と帝国──「小さな王国」の学校制度
第5章 サラリーマンと女学生──「痴人の愛」における〈教育〉の位相
─第Ⅲ部 歴史へのパースペクティブ
第6章 大衆としての読者──「乱菊物語」の方法
第7章 メタヒストリーとしての小説──「「九月一日」前後のこと」から「盲目物語」へ
第8章 歴史叙述のストラテジー──「聞書抄」のレトリック
─第Ⅳ部 翻訳行為としての読むこと
第9章 古典と記憶──「蘆刈」における〈風景〉のナラトロジー
第10章 文体と古典──『源氏物語』へのまなざし
あとがき
初出一覧
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日高佳紀著、双文社出版、305頁、3,500円+税
大衆の登場と、谷崎の読者戦略
文学が“商品化”した大正から昭和初期、谷崎潤一郎は新たに出現した大衆読者に、戸惑いながら接近していった──。
メディアの向こうの見えない読者との葛藤とその力学を、谷崎テクストという現象に見いだし、物語言説(ディスクール)の運動の中に、批評性と文体変革の軌跡を追う。
メディア、消費文化、歴史叙述、翻訳行為、……。
谷崎が構想した“読むこと”の多様性をテクストから炙り出し、時代と交差した新たな谷崎文学の像を結ぶ。
(※本書オビ文より)
■目次■
序章 谷崎文学をディスクールとして読むために
─第Ⅰ部 メディアを横断するエクリチュール
第1章 通俗からの回路──「お艶殺し」の図像学
第2章 メディア戦略とその不可能性──「武州公秘話」と読者
第3章 テクストの臨界──「細雪」の読まれ方
─第Ⅱ部 コンテクストとしての消費文化
第4章 資本と帝国──「小さな王国」の学校制度
第5章 サラリーマンと女学生──「痴人の愛」における〈教育〉の位相
─第Ⅲ部 歴史へのパースペクティブ
第6章 大衆としての読者──「乱菊物語」の方法
第7章 メタヒストリーとしての小説──「「九月一日」前後のこと」から「盲目物語」へ
第8章 歴史叙述のストラテジー──「聞書抄」のレトリック
─第Ⅳ部 翻訳行為としての読むこと
第9章 古典と記憶──「蘆刈」における〈風景〉のナラトロジー
第10章 文体と古典──『源氏物語』へのまなざし
あとがき
初出一覧
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日高佳紀著、双文社出版、305頁、3,500円+税