『小説のフィクショナリティ』
高橋幸平さん、久保昭博さんとの共編で、『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』をひつじ書房から刊行しました。
2014〜2020年まで活動した「フィクションと日本文学の研究会」(JF研)の成果の一端をまとめた論集。本書を中仕切りに新たな展開を進めていきたいと思っています。
(※左画像をクリックすると大きいサイズの書影をご覧いただけます。)

フィクション≠文学
人はなぜ虚構の物語にリアリティを感じるのか。
フィクションとファクトの境界はどこに引かれるのか。
フィクション理論の現在を整理し、文学研究に導入する──。
主要文献の「読書案内」を含む、これからの研究に欠かせない一冊。

分析美学の影響下に、ポスト構造主義以降の文学・芸術理論を形成しつつあるフィクション論。欧米の主要な理論的アプローチを概観しながら日本独自の「フィクショナリティ」を照射し、近現代小説の新たな読みを提案する。
(※本書オビ文より)

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■目次■

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坂口安吾大事典勉誠出版から『坂口安吾大事典』が刊行されました。

「偉大なる落伍者」安吾の、あらたな作家像。
「堕落論」、「桜の森の満開の下」、「不連続殺人事件」……モダニズム小説、歴史小説、風俗小説、推理小説のほか、評論・文化論・笑劇・エッセイなど、多岐にわたって足跡を残した坂口安吾。
最新の研究成果を踏まえ、全作品を解説するとともに、その人間像・作品を読み解くうえで重要なキーワードや、交流のあった人物を網羅的に解説。
坂口安吾のすべてに迫る初の大事典!(本書オビ文より) 
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第一部・キーワード編、第二部・作品編、第三部・事項編 の3部構成で、巻末には詳細な年譜が付されています。「お奈良さま」「影のない犯人」「神サマを生んだ人々」「松江市邦楽界に寄す」「山の神殺人」といった作品項目と、「谷崎潤一郎」の項目を担当しました。

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安藤宏・大原祐治・十重田裕一 編集代表、勉誠出版、828頁、14,000円+税 
奈良教育大学国文学会2022年度研究発表大会が以下の要領で開催されます。

日時:2022年6月19日(日)13:00より
会場:奈良教育大学大講義室(発表者および現職員・在学生)とZoom(他の参加者)によるハイブリッド開催

卒業生を含めた学外の方はオンラインでのご参加となります。
事前登録が必要となりますので、国文学会HPをご覧の上、お申し込みください。

◇日高研の現役院生、奥田智也くんが登壇します。
(研究発表) 
・奥田智也「小川洋子『シュガータイム』論」

また、この3月に奈良教育大学学長を退任された加藤久雄先生のご講演もあります。

プログラムの全体、および詳細は国文学会HPをご覧ください。

奈良教育大学国文学会HP20220601
日高研の卒業生、孫軍悦さん(立命館大学准教授)が、このたび第27回日本比較文学会賞を受賞されました。おめでとう!
 http://www.nihon-hikaku.org/activity/award.html

受賞したのはご著書『現代中国と日本文学の翻訳 テクストと社会の相互形成史』(青弓社、2021年2月)です。本書についての書誌情報はこちら。 
やっぱり読みたい日本の近代文学~谷崎潤一郎~
出版文化産業振興財団(JPIC)のオンライン・プログラム「JPIC ONLINE」の連続講座「やっぱり読みたい日本の近代文学」で、5月19日(木)から隔週3回の一般向け講義を担当し、谷崎潤一郎の文学について話します。
こちらは、Zoomミーティング機能を使用する講座です。指定日のライブ講義のほか、見逃し配信もあります。

>>JPIC ONLINEのサイトはこちら 

◎やっぱり読みたい日本の近代文学~谷崎潤一郎の文学を読む~<全3回>
第1回:2022年5月19日(木)19:00〜20:30
 谷崎潤一郎はなぜ「文豪」と呼ばれたか
第2回:2022年6月2日(木)19:00〜20:30
 谷崎潤一郎と都市モダン文化
第3回:2022年6月16日(木)19:00〜20:30
 谷崎潤一郎と古典文学

『日本文学の見取り図』
ミネルヴァ書房のシリーズ「世界の文学をひらく」の1冊として『日本文学の見取り図 宮崎駿から古事記まで』が刊行されました。
本書の「序─日本文学をひらくために」で編者による座談会、日本文学を学ぶための重要テーマを扱った第1部「日本文学の今を知る─テーマ・話題」、現代から古代の順に日本文学の作家・作品を取り上げて解説した第2部「日本文学史を彩る(作った)名作・作家たち」で構成されています。
このうち第1部の「資本主義」および第2部の「谷崎潤一郎」について、執筆を担当しました。
以下、出版社のサイトに掲載されている内容説明です。

日本文学を学ぶ上で重要なテーマや課題「メディア」「資本主義」「ジェンダー」「神話と正史」などを取り上げ、また厳選した75の作家・作品を現代から古代の順に配列し、最新の知見に基づきわかりやすく解説する。
本書を通読すると、断片的に見える日本文学に関する情報が有機的に結びつき、全体像が把握できる。学部生、大学院生、文学愛好家を対象に、いまを軸に日本文学を捉え、世界へひらくための地図・見取り図を提供する新しい一冊。
[ここがポイント]
◎ 初学者から日本文学に関心のある一般読者を対象
◎ 第一線で活躍する専門家による執筆
◎ レポート課題や卒論に役立つ
◎ 事典的な使い方もできる、一項目読み切り型
◎ 図版を豊富に掲載し、ビジュアルでも楽しめる

>>目次等の詳細(出版社のサイト)はこちら

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千葉一幹・西川貴子・松田浩・中丸貴史 編著、ミネルヴァ書房、251頁、2,800円+税
先日、刊行が遅れに遅れておりました2021年3月30日付発行の『奈良教育大学国文─研究と教育』第44号がようやく刷り上がりました。
これを受けて、新型コロナウイルスの影響で発送ができていなかった第43号と2冊同封して、会員のみなさんや関係各所に発送しました。 
2号続きの刊行遅れと、発送の大幅な遅れについて、あらためましてお詫び申し上げる次第です。
なお、本誌の日高研関連の記事については、発行日のブログに掲載しました。 
大学HPにある広報関連ページ「奈良教育大学Knowledge(通称:なっきょんナレッジ)」に研究紹介のコラムを書きました。

[研究コラム]文学のことばをいかに読むか
著書


研究室を訪ねてきた“なっきょん”のインタビューに答えるという形式で書いています。
このインタビュー内容を考えてくださったのは担当事務の方で、僕の本や論文をていねいに読んで対応してくださいました。ここに記して感謝申し上げます。ありがとうございました。

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